妙法蓮華経 勧持品 第十三

 

即時に 諸の菩薩 倶に 同じく声を発して 偈を説いて言さく
唯 願わくは 慮いしたもうべからず 仏の滅度の後
恐怖悪世の中に於て 我 等当に広く説くべし

諸の無智の人 悪口罵詈等し
及び 刀杖を加うる者あらん 我等 皆 当に忍ぶべし

悪世の中の比丘は 邪智にして 心 諂曲に
未だ 得ざるを 為れ 得たりと謂い 我慢の心 充満せん

或は 阿練若に 納衣にして 空閑に在って
自ら真の道を行ずと謂うて 人間を軽賎する者あらん
利養に貧著するが故に 白衣のために法を説いて
世に恭敬せらるること 六通の羅漢の如くならん

是の人 悪心を懐き 常に 世俗の事を念い
名を 阿練若に仮って 好んで我等が過を出さん
而も 是の如き言を作さん 此の 諸の比丘等は
利養を貧るを為ての故に 外道の論議を説く
自ら此の経典を作って 世間の人を誑惑す
名聞を求むるを為ての故に 分別して是の経を説くと
常に 大衆の中に在って 我等を毀らんと欲するが故に
国王 大臣 婆羅門 居士
及び 余の比丘衆に向って 誹謗して 我が悪を説いて
是れ邪見の人 外道の論議を説くと謂わん

我等 仏を 敬うが故に 悉く是の諸悪を忍ばん
斯れに軽しめて 汝等は 皆 是れ仏なりと謂われん
此の如き軽慢の言を 皆 当に忍んで 之を受くべし
濁劫悪世の中には 多く諸の恐怖あらん
悪鬼 其の身に入って 我を 罵詈毀辱せん
我等 仏を敬信して 当に忍辱の鎧を著るべし
是の経を説かんが為の故に 此の諸の難事を忍ばん

我 身命を愛せず 但 無上道を惜む
我等 来世に於て 仏の所嘱を護持せん
世尊 自ら当に知しめすべし 濁世の悪比丘は
仏の方便 随宜所説の法を知らず
悪口して ビン蹙し 数数擯出せられ
塔寺を遠離せん 是の如き等の衆悪をも
仏の告勅を念うが故に 皆 当に是の事を忍べし

諸の聚落 城邑に 其れ法を求むる者あらば
我 皆 其の所に到って 仏の所嘱の法を説かん
我は 是れ 世尊の使なり 衆に処するに畏るる所なし
我 当に善く法を説くべし 願わくは仏 安穏に住したまえ
我 世尊の前 諸の 来りたまえる 十方の仏に於て
是の如き誓言を発す 仏 自ら 我が心を知しめせ

 

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