妙法蓮華経 提婆達多品 第十二
時に 下方の多宝世尊の所従の菩薩 名を 智積という 多宝仏に啓さく 当に 本土に還りたもうべし
釈迦牟尼仏 智積に告げて曰わく 善男子 且く須臾を待て 此に菩薩あり 文殊師利と名く 与に相見るべし 妙法を論説して 本土に還るべし
爾の時に 文殊師利 千葉の蓮華の 大さ車輪の如くなるに坐し 倶に来たれる菩薩も 亦 宝蓮華に坐して
大海の娑竭羅龍宮より 自然に涌出して 虚空の中に住し 霊鷲山に詣でて 蓮華より下りて 仏前に至り
頭面に 二世尊の足を敬礼し 敬を修すること已に畢って 智積の所に往いて 共に相慰問して 却って 一面に坐しぬ
智積菩薩 文殊師利に問わく 仁 龍宮に往いて 化する所の衆生 其の数幾何ぞ
文殊師利の言わく 其の数 無量にして 称計 す可からず 口の宣ぶる所に非ず 心の測る所に非ず 且く須臾を待て 自ら 当に証あるべし
所言 未だ竟らざるに 無数の菩薩 宝蓮華に坐して 海より涌出し 霊鷲山に詣でて 虚空に住在せり
此の 諸の菩薩は 皆 是れ 文殊師利の 化度せる所なり 菩薩の行を具して 皆 共に 六波羅蜜を論説す
本 声聞なりし人は 虚空の中に在って 声聞の行を説く 今 皆 大乗の空の義を修行す
文殊師利 智積に謂って曰く 海に於て教化せること 其の事 此の如し
爾の時に 智積菩薩 偈を以て 讃めて 曰く
大智徳勇健にして 無量の衆を化度せり
今 此の諸の大会 及び 我 皆 已に見つ
実相の義を演暢し 一乗の法を開闡して
広く 諸の群生を導いて 速かに 菩提を成ぜしむ
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