妙法蓮華経 見宝塔品 第十一
諸の善男子 各 諦かに思惟せよ
此れは 為れ 難事なり 宜く 大願を発こすべし
諸余の経典 数 恒沙の如し
此れ等を説くと雖も 未だ難しと為すに足らず
若し 須弥を接って 他方の無数の仏土に
擲げ置かんも 亦 未だ難しとせず
若し 足の指を以て 大千界を動かし
遠く 他国に擲んも 亦 未だ難しとせず
若し 有頂に立って 衆の為に
無量の余経を 演説せんも 亦 未だ難しとせず
若し 仏の滅後に 悪世の中に於て
能く此の経を説かん 是れ 則ち 難しとす
仮使 人あって 手に虚空を把って
以て 遊行すとも 亦 未だ難しとせず
我が 滅後に於て 若しは 自らも書き持ち
若しは 人をしても書かしめん 是れ 則ち 難しとす
若し 大地を以て 足の甲の上に置いて
梵天に昇らんも 亦 未だ難しとせず
仏の滅度の後に 悪世の中に於て
暫くも 此の経を読まん 是れ 則ち 難しとす
仮使 劫焼に 乾ける草を 担い負うて
中に入って 焼けざらんも 亦 未だ難しとせず
我が 滅度の後に 若し此の経を持って
一人の為にも説かん 是れ 則ち 難しとす
若し 八万四千の法蔵
十二部経を持って 人の為に演説して
諸の聴かん者をして 六神通を得せしめん
能く 是の如くすと雖も 亦 未だ難しとせず
我が 滅後に於て 此の経を聴受して
其の義趣を問わん 是れ 則ち 難しとす
若し人 法を説いて 千万億
無量無数 恒沙の衆生をして
阿羅漢を得 六神通を 具せしめん
是の益ありと雖も 亦 未だ難しとせず
我が 滅後に於て 若し能く
斯の如き 経典を奉持せん 是れ 則ち 難しとす
我 仏道を為て 無量の土に於て
始より 今に至るまで 広く 諸経を説く
而も 其の中に於て 此の経 第一なり
若し 能く 持つことあるは 則ち 仏身を持つなり
諸の善男子 我が 滅後に於て
誰か 能く 此の経を 受持し 読誦せん
今 仏前に於て 自ら 誓言を説け
此の経は 持ち難し 若し 暫くも持つ者は
我 即ち歓喜す 諸仏も亦 然なり
是の如きの人は 諸仏の歎めたもう所なり
是れ 則ち 勇猛なり 是れ 則ち 精進なり
是れを 戒を持ち 頭陀を 行ずる者と名く
則ち為れ 疾く 無上の仏道を得たり
能く 来世に於て 此の経を 読み 持たんは
是れ 真の仏子 淳善の地に 住するなり
仏の滅度の後に 能く 其の義を解せんは
是れ 諸の 天 人 世間の眼なり
恐畏の世に於て 能く 須臾も説かんは
一切の 天 人 皆 供養すべし
妙法蓮華経 巻第四
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