妙法蓮華経 見宝塔品 第十一
爾の時に世尊 重ねて 此の義を宣べんと欲して 偈を説いて言わく
聖主世尊 久しく 滅度したもうと雖も
宝塔の中に在して 尚お 法の為に 来りたまえり
諸人 云何ぞ 勤めて法の為にせざらん
此の仏 滅度したまいて 無央数劫なり
処処に法を聴きたもうことは 遇い難きを以ての故なり
彼の仏の本願は 我 滅度の後
在在所往に 常に法を聴かんが為にせん
又 我が分身 無量の諸仏
恒沙等の如く 来れる法を聴き
及び 滅度の多宝如来を 見たてまつらんと欲して
各 妙土 及び 弟子衆
天 人 龍神 諸の供養の事を捨てて
法をして 久しく 住せしめんが故に 此に来至したまえり
諸仏を 坐せしめんが為に 神通力を以て
無量の衆を移して 国をして清浄ならしむ
諸仏 各各に 宝樹下に詣りたもう
清涼池の 蓮華荘厳せるが如し
其の宝樹下の 諸の師子座に
仏 其の上に坐したまいて 光明厳飾せること
夜の闇の中に 大なる 炬火を然せるが如し
身より 妙香を出して 十方の国に徧じたもう
衆生 薫を蒙って 喜 自ら勝えず
譬えば 大風の 小樹の枝を吹くが如し
是の方便を以て 法をして 久しく住せしむ
諸の大衆に告ぐ 我が 滅度の後に
誰か能く 斯の経を護持し 読誦せん
今 仏前に於て 自ら誓言を説け
其れ 多宝仏 久しく 滅度したもうと雖も
大誓願を以て 師子吼したもう
多宝如来 及与 我が身
集むる所の化仏 当に 此の意を知るべし
諸の 仏子等 誰か能く 法を護らん
当に 大願を発して 久しく住することを 得せしむべし
其れ 能く 此の経法を 護ることあらん者は
則ち 為れ 我 及び 多宝を供養するなり
此の多宝仏 宝塔に処して
常に十方に遊びたもう 是の経の為の故なり
亦復 諸の 来りたまえる化仏の
諸の世界を荘厳し 光飾したもう者を供養するなり
若し 此の経を説かば 則ち為れ 我
多宝如来 及び 諸の化仏を見たてまつるなり
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